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01 11月, 2017

「吉岡徳仁 光とガラス」展レポート/21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3

11月2日から21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で始まる展覧会「吉岡徳仁 光とガラス/Tokujin Yoshioka Glass Project」の内覧会に行って来ました。
吉岡徳仁氏はプロダクトや商業空間など、詩的で実験的な独自の表現で国際的に活動するデザイナー。本展では光の表現に最も近い素材としてガラスに着目し、創作の本質に迫るというもの。代表作であるウォーターブロックシリーズから最新作のガラスの腕時計、プリズムを用いた建築物の構想まで、挑戦しつづける吉岡氏のデザイン観と光の世界を感じることができる(期間中、本展の作品はすべて撮影可能)。


ここで「おや?」と思った人は21_21 DESIGN SIGHT通かもしれない。本ギャラリーの展示では通常屋外に作品は展示しない。しかし吉岡氏が"どうしても"と自ら交渉し、このスペースでの設置が叶ったそうだ。


〈Waterfall / ウォーターフォール〉
世界最大のオプティカルグラスのテーブルである。スペースシャトルにも使用されるこの特殊なガラスは、4.5メートルにも及ぶ巨大なオプティカルガラスの塊によって作られている。美しい光の透過を全方向から眺めることができる。


ギャラリー内部。スペースには余白があり、ひとつひとつをじっくり観ることができるようにレイアウトされている。


〈Water Block/ウォーターブロック〉
透明でありながら光の屈折によって強いオーラを放つガラスのベンチ。 2002年の作品。


ギャラリー奥では新作などをメインに展示。


〈Water BlockーKATANA/ウォーターブロック ーカタナ〉
プラチナのモールドから生み出されたこの作品は、まるで水面のような造形をつくり出す。光の刀のような三角形の無垢のガラスにより、自然が生み出す美しさを水の塊の彫刻のように表現している。

〈Glass Watch/ガラスの時計〉
ISSEY MIYAKEプロデュースのウオッチ・プロジェクト。ガラスの存在感を感じさせる塊のような厚みが特徴。


セイコーウオッチによる緻密な形状加工と研削技術に加え、特殊な内部構造をつくることで実現された。


〈Rainbow Architecture Project/虹の建築プロジェクト〉
建物上部の巨大なプリズムにより虹の光を体感するというあたらしい建築の提案。吉岡氏はこのように実現したいというプロジェクトをいくつかもっており、これは「Rainbow Churchー光の教会」につづく一連の虹シリーズ。

写真上がプリズムの模型(実際のものは10倍ほどの大きさを想定)


〈Dom Perignon×Tokujin YoshiokaーPrism/プリズム〉
ドン・ペリニヨンのアートプロジェクト。これまでビョーク、デヴィット・リンチ、ジェフ・クーンズなど国際的に活躍するクリエイターを招きコラボしてきた。日本人としては初となる。

光が透明なプリズムの表面を透過し屈折することで、無数の色のスペクトルが現れる。


話題を集めた「ガラスの茶室―光庵」や「虹の教会―Rainbow Church」などの様子を収めた映像も。


吉岡徳仁氏。
「いつもはインスタレーションですが、今回はオブジェの展示です。ガラスの取り組みは長く、20年位になります。これからも時代を越える常に新鮮なデザインを生み出していきたいです。」

【吉岡徳仁 光とガラス】
会期:2017年11月2日~11月13
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
詳細:https://www.tokujin-glass.jp/

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